ｐＨとは？

　ｐＨとは水素イオン（Ｈ＋）濃度を表す指標です。逆数の対数で表されるため、水素イオン濃度が高いほどｐＨの値は小さくなります。
　実際には０〜１４．０までの数字で表され、７．０が中性で、これより低い数字だと酸性、これより高い数字だとアルカリ性となります。

どのようにして測定されるの？

測定には、土壌中の水素イオンを引き出すためにＨ２Ｏ（イオン交換水や蒸留水）を加え、よく混ぜてからｐＨメーターで測定します。この時、土壌と液の量が決められており、土壌重量１に対して液の量は２．５となっています。

　また、Ｈ２Ｏでの測定の他に１Ｎ　ＫＣｌ（１規定塩化カリウム）液を用いて測定することにより、土壌中に隠れている酸性物質まで引き出して測定することができます。そのため、基本的にｐＨ（Ｈ２Ｏ）より、ｐＨ（ＫＣｌ）の方が値は低くなります。また、この値は水溶性の塩類の影響を受けないので、土壌本来のｐＨを表していると言えます。

ｐＨの違いによる影響は？

　土壌が酸性化すると、窒素やリン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ホウ素、モリブデンなどの養分が吸収しにくくなり、欠乏症をおこしたり、マンガンや鉄、亜鉛などの微量要素が溶け出しやすくなり、過剰症をおこすことがあります。また、有害なアルミニウムイオンが溶けだし、根に影響を与えることもあります。

　土壌がアルカリ化すると、マンガンや鉄、亜鉛などの微量要素が吸収されにくくなり、欠乏症をおこすことがあります。

　一般的な作物はｐＨ５〜７の範囲を好むので、この範囲にあれば良いと思われますが、作物によって最適な値は違うので注意が必要です。

一言コメント・・・・・。

純水（イオン交換水や蒸留水）はｐＨ７．０の中性だと思いがちですが、実は少し酸性に傾いたｐＨ６．７前後なんです。空気中の二酸化炭素などが溶けるためだそうです(^_-)。

　しかも、蒸留水の精製にはとても時間がかかるのですが、分析には道具を洗ったりするのに、とてもたくさんの蒸留水を使います。